ハラスメント発生を防止するには

近年、ハラスメントに関する労使トラブルが増えており、労働基準監督署への相談事項もいじめ・嫌がらせに関するものが一番多くなってます。

ハラスメントは、労使トラブルを引き起こすだけでなく、被害者のメンタルヘルス不調の発生や労災請求裁判などに繋がる可能性も高く、被害者でけでなく、企業や加害者にとってもリスクが高いものです。

会社の不適切な対応等を理由に、使用者責任職場環境配慮義務違反を追及され、損害賠償責任の支払いを命じられる裁判例も増えてきています。

厚生労働者が実施した調査によれば、過去3年間にパワハラを受けたことがあると回答した人は25.3%

独立行政法人労働政策研究機構の調査によれば、これまでにセクハラを経験したことがあると回答した人は28.7%

となっています。


◎パワハラ

同じ職場で働く者に対して、職務上の地位や人間関係などの職場内での優位性を背景に、業務の適正な範囲を超えて、精神的・身体的苦痛を与えるまたは職場環境を悪化させる行為、簡単に言うと職場における力関係によるいじめや嫌がらせです。


【パワハラの行為類型】

身体的な攻撃 暴行、傷害

精神的な攻撃 脅迫、名誉棄損、侮辱、暴言

人間関係からの切り離し  隔離、仲間外し、無視

過大な要求  業務上明らかに不要なことや遂行不可能なことの強制、仕事の妨害

過小な要求  業務上の合理性なく、能力や経験とかけ離れた程度の低い仕事を命じる、仕事を与えない

個の侵害   私的なことに過度に立ち入る


【具体的な事例】

①上司が仕事上のミスを部下に注意していた。しかし部下の声が小さくて聞き取れなかった。カッ!となった。上司が、返事が聞き取れないことを理由に、机の上の書類を部下の顔面に投げつけた。


②入社歴の長い部下が、入社歴の短い上長のミスを、長時間にわたり皆の前で注意していた。申し訳ないとその場で上長は謝ったのだが、その後、部下は上司の目の前で、周囲に聞こえる声で「無能な上司」「辞めて欲しい」など言い続けた。


③仕事のやり方をめぐり、同僚間で口論になったことをきっかけに、会議の時間を教えない、必要な情報を共有しない、話しかけても一切口をきかないなどが続いている。部署全体の飲み会などにも声をかけない。


④入社して2年目で新しい部署に異動。「新人じゃないのだから自分で考えろ」と仕事の引き継ぎもなく全ての仕事を任す。どこから手をつけて良いか分からず悩んで相談しても「それぐらい自分でやれ」と言われ、周囲は誰も助けてくれない。


⑤営業職として長年勤務していたが、ある仕事上のミスをきっかけに全てのクライアントを取り上げられた。仕事のミスは、故意でもなく通常考えても予測不可能なものであった。以前、他の社員達も同様のミスを起こしたが、そのようなことは一度もなかった。何度、その事情を訴えても、仕事を与えてもらえないままの状態だ。


⑥親睦会の席で、それぞれが自分の家族の話になった。独身である労働者に対し「なぜ結婚しないのか」と問われ「付き合っている人がいるが結婚まで至らない」と答えると「携帯を見せてみろ!」と勝手に携帯でのメールのやりとりを皆の前で、読み上げる、写真を宴席にいた周囲の社員に回した。



◎セクハラ

職場において行われる、労働者の意に反する性的な言動に対する労働者の対応により、労働条件について不利益を受けたり、性的な言動により就業環境が害されること。同姓に対するものも含まれる。


【セクハラの種類】

①対価型  労働者の意に反する性的な言動に対する労働者の対応(拒否や抵抗)により、その労働者が解雇、降格、

      減給、労働契約の更新拒否、昇進昇格からの除外、客観的に見て不利益な配置転換などの不利益

      受けること

②環境型  労働者の意に反する性的な言動により労働者の就業環境が不快なものとなったため、能力の発揮に

      重大な悪影響が生じるなどその労働者が就業する上で看過できない程度の支障が生じること。


【具体的な事例】

①取引先との接待の帰りのタクシーの中で、上司が労働者の肩に手を回し、膝を触ろうとしたところ「やめてください!」と強く抵抗された。その場は「すまなかった」と謝ったが、翌日から口をきかず、仕事上の相談をしても無視をされるようになった。数日後、異動の時期でもないのに不利益な配置転換を言い渡された。


②同期入社で仲の良かった同僚間であったが、些細なことで口論になった。その後しばらくすると、同じ部署内において一方の労働者が相手の性的な内容の情報を意図的かつ継続的に流していた。周囲の目が気になり、苦痛に感じて仕事が手につかない。


◎マタハラ

妊娠、出産、育児休業などを理由として精神的・肉体的な嫌がらせを受けたり、解雇や退職強要などの不当な扱いを受けたりして、就業環境が害されること。


【具体的な事例】

①妊娠を聞く前は契約更新を前提とされていたのに、社長に妊娠の報告をしたら「うちは小さい会社なので、パートさんに産休・育休はないから」と雇い止めされた。


②育児休業を1年間取りたいと社長に相談したら「言わなかったけど経営状態良くないんだよね。そもそも前から勤務態度悪かったし。」と突然言われ解雇された。


③母性健康管理措置を上司に取りたいと報告したら「忙しいのだから、そんな制度を請求するものじゃない。妊娠は病気じゃないのだから!」と請求を拒まれた。


④出産後、育児時間を取っていると同僚から「正直、この多忙な時期に育児時間を取っている気が知れない。みんな遅くまで残っているのに」、「また帰るの?今日も?」、「たまには残業すれば?」などと繰り返し育児時間の取得をしないように言われる。


⑤妊娠を上司に告げたところ、嫌な顔をされ「それだったら、契約は打ち切りと社長に言わないとね。」と言われた。



ハラスメントを発生させないためにすべきこと(法律上の義務)


・ハラスメントの内容、行ってはならない旨の会社方針の明確化と全従業員への周知

・行為者へは厳正な対処をする旨の会社方針、対処内容の規定化と全従業員への周知

・被害者が相談できる相談窓口の設置

・相談に対する適切な対応

・事実関係を迅速かつ正確に確認

・被害者に対する適正な配慮措置の実施

・行為者に対する適正な措置の実施

・再発防止措置の実施

・当事者のプライバシー保護


以下は、法的義務ではないが、ハラスメント発生予防の参考事項


・ハラスメントがないかどうかアンケート調査を実施して、実態を把握することも有効です。

・ハラスメントに関する研修を実施することも予防効果があります。

・ハラスメント防止規程を作成し、周知することも効果があります。

・社内に相談窓口を設置しても、相談窓口の担当者が誰かによっては(例えば、社長、人事部長など)相談したくても相談しにくいため、しないケースもあるので担当者の人選には注意すること。


松田社労士事務所では、ハラスメント防止に関するサポート業務を行っています。

 ・会社方針の作成

 ・ハラスメント防止規程の作成

 ・相談窓口の代行

 ・アンケート調査の実施

 ・ハラスメントに関する研修の実施

 ・ハラスメントが発生してしまったときの対応の仕方のアドバイス

高額な損害賠償を支払うことになってしまったり、ハラスメントがある会社として世間に会社名が広まってしまったりしないよう、まずはやるべき事(法律上の義務)をきちんとやりましょう。

ハラスメント対策は、手遅れになる前に行動することが大切です。


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