労務管理に役立つ情報6

労災に該当するかしないか

労災保険でいう業務上災害とは、ある業務をしていた時に、その業務を行っていたことを理由とする災害が発生したことにより、負傷もしくは死亡することを言います。

それでは、以下のケースは業務上災害となるのでしょうか? 

1.『会社行事に参加中のケガは?』

ボーリング大会や運動会などの会社行事を、従業員間の親睦を深める目的等で行っているケースがあると思います。では、それらに参加中に従業員がケガなどをした場合、労災保険法上の業務上災害と認められるのでしょうか?


◎社内行事に参加することが強制され(義務付けられ)、出勤扱いとして賃金が支払われる場合は、参加することが業務命令と考えられますから 当然、業務上の災害(労災)として取り扱われます。逆に、参加することが、任意(自由参加)の場合は、業務命令とは認められませんので、労災には該当しません。福利厚生としてのレクリエーションに参加したと考えることが妥当です。

ただし、参加が任意の場合でも、その行事の主催者(担当者)として参加している人の場合は、取り扱いが異なります。このような人の場合は、会社からの命令による業務として参加していると考えられますので、行事参加中に、足を挫くなどのケガをした場合は、労災として取り扱われます。


2.『休憩室で休憩中のケガは?』

会社の休憩室で休憩中に、天井の照明器具が突然落下してきてケガをした場合は、労災と認められるのでしょうか?


◎一般的には、労働から解放されている休憩時間中に発生した災害は、労災とは認められません。しかし、休憩時間中であっても、会社の施設を利用中に、その利用に起因して災害が発生した場合は、労災と認められます。

このケースのように、休憩室の照明器具が落下してきたなど、社内施設に欠陥(不備)があったことを原因とする災害であることが明らかな場合は、例え休憩中で業務をしていない時に発生した災害であっても、労災として取り扱われます。

ただし、社内施設利用中に起きた災害すべてが労災となるわけではなく、例えば、社員食堂で食事中に、自分の不注意で誤って熱いお茶をこぼし、手にやけどを負った場合は、社内施設に欠陥があったわけではありませんので、労災とは認められません。社内施設とは、食堂や休憩室のほか、洗面所、トイレ、更衣室、浴室等が該当します。


3.『出張中のケガは?』

出張中にケガをした場合は、労災と認められるのでしょうか?


◎出張は、会社からの業務命令によるものですから、出張中=業務中となります。よって、本来は私的行為とみなされる食事、入浴、睡眠といった行為も含めて、出張中に起きた災害は、業務上災害と認められます。

ただし、食事が私的行為にあたる場合、例えば出張先で業務とは無関係の友人と食事をする場合などは、業務逸脱行為(私的行為)となり、その行為を行っている間に発生した災害については、労災とは認められません。


通勤災害に該当するかしないか

通勤災害とは、例えば、駅の階段で転んでケガをした場合、建築現場の近くを歩いていた時に、落下してきた物体にあたってケガをした場合等、通勤に通常伴う危険が具体化した災害のことをいいます。

それでは、以下のケースは、通勤災害になるのでしょうか? 


1.『帰宅途中に、定食屋に立ち寄る場合』

一人暮らしの従業員が、帰宅途中に定食屋で夕食をとった後、自宅近くでつまずいて転倒し負傷した場合は、通勤災害と認められるのでしょうか?


◎原則として、通勤途中で通勤行為から逸脱又は中断があった場合には、その逸脱又は中断以後に発生した災害については、通勤災害と認められません。しかし、負傷した従業員個人の事情によっては、その逸脱又は中断が日常生活上必要な行為であって、必要最小限のものである場合は、その逸脱又は中断行為後、再び通勤経路に戻った以後に発生した災害については、通勤災害と認められます。

  日常生活上必要な行為の例

 ・帰宅途中にスーパーで買い物をする場合

 ・独身者が食堂に立ち寄る場合

 ・病院で治療を受ける場合


このケースのように、一人暮らしの者が帰宅途中に食堂に立ち寄り夕食をとるという行為は、日常的に行われる行為にあたると考えられるため、通勤災害と認められます。

一方、帰宅途中に偶然友人に会ったので、近くの喫茶店に入り、1時間程話しをした後、自宅へ帰る途中に発生した災害については、日常生活上必要な行為とは考えられませんので、通勤災害とは認められません。


2.『友人宅に宿泊し、そこから出勤する場合』

友人宅で夜遅くまでお酒を飲み、そのまま宿泊し、翌朝そこから会社へ出社する途中に発生した災害は、通勤災害と認められるのでしょうか?


◎原則として、通勤災害と認められるには、自宅と会社の間の通勤経路上で発生した災害であることが必要です。ただし、やむを得ない事情で、一時的に自宅以外の場所に宿泊した場合には、通勤災害と認められることがあります。

例えば、夜遅くまで残業をして、終電がなくなってしまったため、会社近くのビジネスホテルに宿泊した場合や、台風のため公共交通機関が止まってしまったため、駅近くのホテルに宿泊した場合などです。


しかし、このケースの場合は、友人宅に宿泊したのは、個人的な理由によるものであるため、たとえ災害に遭った場所が、本来の通勤経路上であったとしても、通勤災害とは認められません。

なお、朝一旦自宅へ帰り、改めて会社へ通勤していた場合に起きた災害であれば、通勤災害と認められます。


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