労務管理に役立つ情報5

私生活上の非行による解雇

勤務中ではなく、従業員の私生活上の非行でも懲戒処分できる場合があります。会社の社会的評価に重大な悪影響を与えるような従業員の行為については、職務遂行と直接関係のない私生活上で行われたものであっても、懲戒処分をすることは認められます。

ただし、必ずしも具体的な業務阻害の結果や取引上の不利益の発生を必要とするわけではありませんが、当該行為の性質、情状のほか、会社の事業の種類・態様・規模、従業員の地位・職務等を総合的に判断して、会社の社会的評価に及ぼす悪影響が、相当重大であると客観的に評価される場合でなければいけません。


◆飲酒運転による交通事故

飲酒運転事故に対する世間の反応は、非常に厳しいものがありますが、原則、勤務時間外の事故は懲戒対象になりません。ただし、例外として、会社の社会的名誉や信用が害された場合は、以下の要素を考慮して懲戒処分を検討します。

1.飲酒量および運転時の呼気中アルコール濃度

2.テレビ・新聞等で報道されたか

3.人身事故であったか

4.バス・タクシーなどの旅客運送事業であるか

5.そうである場合、運転業務を行っている者か


4.5に該当する場合は、会社の社会的評価の低下・毀損を招くおそれが大きいため、懲戒解雇を含めた厳しい処分も可能ですが、例えば製造業の従業員が同程度の事故を起こしたとしても、懲戒解雇はできません。

ただし、1.2.3.等の程度ををふまえ、減給や降職などの懲戒処分とすることは、可能なケースもあります。


◆会社外での暴行事件など

飲酒運転事故と同様に、暴行事件=懲戒対象とはなりません。ただし、行為の態様・程度、年齢、これまでの勤務態度・勤務成績、将来の期待、反省の姿勢を総合的に判断して、減給や降職などの懲戒処分とすることは可能なケースもあります。


◆不倫問題を起こした従業員への対応

◎社内不倫

私生活上の範囲であるため、懲戒処分の対象にはなりません。同じ部署の二人であれば、どちらかを配転させて職場の秩序の回復を計ります。


◎取引先関係者との不倫

取引先の秩序を乱し、結果として、取引先の信頼を失い事業活動にダメージを受けます。取引先関係者との不倫は、会社の社会的評価を毀損する行為です。

ただし、取引停止など大きな損失が発生しない限り、懲戒解雇は難しいです。しかし、懲戒解雇ではなく普通解雇とすることは可能です。雇用契約は、会社と従業員の信頼関係に基づいて築かれているもので、当該行為により信頼関係を損なえば、普通解雇は可能だからです。

企業秘密の漏洩

職務上知りえた会社・顧客などの秘密や個人情報などを漏洩する行為は、重大な企業秩序違反行為です。

企業秘密とは、技術ノウハウ・新規プラン・顧客情報・スキャンダル・脱税情報など、会社業績に影響を与える情報すべてを言います。


情報漏洩により会社に損害を与えた、またはそのおそれを生じさせた場合には、懲戒解雇の対象になります。ただし、その漏洩が正当な告発である場合は、懲戒対象とはなりません。

 正当な告発かどうかの判断

 ・告発内容の真実性

 ・告発目的の公益性

 ・告発手段の社会的相当性

これらを総合的に判断して、正当か否かを判断します。


漏洩された機密により会社が受けるダメージは違いますから、まずは、その機密内容を確認し、それが会社にどの程度ダメージを与えるか判断します。それとともに、漏洩の目的・回数・期間などを勘案して、懲戒処分するかどうかを判断します。

重大な企業秘密の漏洩があり、会社がダメージを受けた場合は、懲戒解雇も可能です。また、個人的な利益を得ることを目的に、継続的に企業秘密を漏洩していた場合は、その企業秘密の内容から懲戒解雇が難しくても、会社に対する重大な背信行為があったとして、信頼関係の破壊を理由に普通解雇を検討することは、十分可能です。

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お知らせ

2017/11/29  

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2017/6/26  

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2017/4/12  

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