労務管理に役立つ情報4

能力不足による解雇

会社が求めていた能力に満たない従業員を採用してしまい、その従業員を辞めさせたいと思っても、法的に有効な解雇を行うには、能力不足を改善 するための指導・教育を、会社が相当な期間行ったかどうかが求められます。できれば1~2年以上(従業員の当該職種の経験年数による)行うことが望ましいです。  

 <指導・教育のポイント> 

 ・いつまでに○○が出来るように、などの目標設定をきちんと行ったか

 ・それは本人が努力すれば、達成可能な目標か

 ・目標設定にあたり、本人の意見を聞いたか

 ・指導教育内容を文書に残しておく。  

相当な期間、指導・教育を行っても改善されないし、今後続けても改善される見込みがないと、誰に対しても自信をもって言えるような状況になってはじめて普通解雇することが望ましいです。 

解雇を通告する前に、自ら退職願を提出して辞めるよう説得するとトラブルになるリスクが低くなります。退職願を提出しない場合は、解雇します。また、可能であれば、別の部署に異動させ、別の仕事をさせて見ることも 一つの方法です。そこでも能力が足りない場合は、解雇は有効と判断されやすくなります。


 ◆「営業部長」など、職務上の地位を特定して採用した中途採用

特定された地位についての、職務遂行能力と適格性があることが、雇用契約の内容となっていますので、それが不足している場合は、地位を特定し ていない者の解雇よりも解雇は認められやすいです。

 ◎雇用契約書で、会社が求めるものを明らかにしておく。

  ・地位を特定した雇用である。  ・会社が望む職務内容  ・会社が求める仕事の成果・数値 

期間は、最低1年は見ます。また、会社として、本人が成果を上げれるよう協力することが大切です。 他に、経済状況の変化などの外的要因はなかったか。地位特定者にふさわしい給料が支払われていたか、なども考慮します。 


即戦力として採用した中途採用

会社が求める経験年数、職務遂行能力、成果を明確にして、雇用契約を結んでおけば、会社が求める能力がなかった場合、注意・指導を相当な期間行う必要は必ずしもありません。 特に、高額な給料で採用した場合は、行う必要もないぐらいです。


職種に専門性がある中途採用専門職

解雇の話をする前に、別の職務への異動を打診してみます。 異動を断り、自ら退職を申し出ることが多いです。


新卒採用

能力不足の解雇は極めて難しいです。単なる能力不足ではなく、著しい能力不足に限定されます。企業規模が大きいほど難しくなります。


能力不足の解雇は一番難しい解雇です。会社として、指導・教育は十分実施したが、会社が求めるレベルに達しない、 達する見込みが今後もない、と誰がみても判断できる状態であることが求められます。 面接時に、本人の能力をきちんと把握し、会社が求める能力レベルを話しておき、入社後、その能力がなかった場合は、解雇がある旨の話しをしておく とトラブルになるリスクは低くなります。

経歴詐称による解雇

経歴詐称すべてが懲戒解雇の対象となるわけではなく、重大な経歴の詐称が発覚した場合に、懲戒解雇を検討することになります。面接時等、事前に発覚すれば、会社がその従業員と雇用契約を締結しなかった、少なくとも同職種の従業員と同一条件で採用しなかったと認められることが必要です。重大な経歴とは、最終学歴や職歴、犯罪歴などが考えられます。

会社には、どのような能力・資質・性格の応募者を採用するか決定する自由、およびそれらについて調査する自由があります。したがって、採用判断の基礎となる事実について、会社が必要かつ合理的な範囲内で申告を求めた場合、応募者は真実の申告をすることが信義則上の義務と考えられます。

この義務に違反して経歴を偽り、本来与えられることのない給料や職務を取得した場合には、人事配置などの労務管理を混乱させた重大な企業秩序違反として懲戒解雇に該当すると言えます。経歴からすると採用されるはずがなっかたのに、経歴詐称によって採用された場合はなおさらです。


最終学歴の詐称

高卒を大卒と偽る学歴詐称は、本来より高い給料が支払われたりすることによって、その後の労務管理に大きな支障をきたします。重大な企業秩序違反として、懲戒解雇の対象になります。


職歴の詐称

職歴は、応募者を採用するかどうかの決定的な要素です。その内容によって、任せる仕事や給料の金額に大きく影響します。したがって、職歴詐称によって、本来より高い給料を受け取っていたのであれば、詐欺行為にあたり懲戒解雇の対象になります。

職務に必要なプログラミング言語の能力がほとんどないにもかかわらず、それがあるかのように職務経歴書に記載し、面接においても同趣旨の説明をして採用された事案で、経歴詐称を理由とする懲戒解雇が有効とされた裁判例があります。


犯罪歴

犯罪歴があること=企業秩序に重大な悪影響を及ぼすとは考えにくいです。例えば、飲酒による傷害事件を起こしたことがあっても、勤務中は飲酒しませんから、仕事に悪影響を及ぼすことはないと考えられます。したがって、犯罪の内容や性格などによって、業務や会社にどの程度の影響が出るのかを、慎重に吟味することが重要です。

犯罪歴については、業務目的の達成に必要な範囲内でしか情報収集はできませんし、身元調査は当然おこなうべきではありません。面接時に、直接申告を求めることになります。また、すでに刑の消滅した前科まで申告する義務はない、との裁判例がある事も頭に入れておいてください。

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2017/6/26  

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